福岡市の私立中学校のバスケ部の暴行事件で、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定されたと話題になっています。
「重大事態」に認定されることでどうなるのでしょうか?被害者や加害者について調査しました。加害者である暴行した上級生の処分についても調べてみたので最後までご覧ください。
いじめの重大事態の認定とは?
いじめの重大事態に認定されることで、学校に調査指導の必要性が生じ、県に調査報告をしなければならなくなります。隠蔽や揉み消しを未然に防ぐ手だてにもなっていると考えます。
いじめ防止対策推進法28条で「重大事態」と定めているものは下記の①と②の場合となっています。
①いじめで児童等の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合。
②いじめで児童等が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされた疑いがある場合。
①の「生命、心身又は財産に重大な被害」の具体例:
- 自殺を企図したケース。
- 身体に重大な傷害を負ったケース。
- 金品等に重大な被害を被ったケース。
- 精神性の疾患を発症したケース。
②の「相当の期間」とは:
- 年間30日を目安にする。つまり、児童等が学校を欠席する日数が年間30日以上続く場合、重大事態とみなす。
学校の設置者または学校が重大事態と認定した場合、速やかに組織を設け、事実関係を明確にするための調査が行われます。
いじめ重大事態は、児童等に深刻な被害をもたらす①または長期間学校に出席できない②状況を指し、学校はこれらの事態を調査し、適切な対策を講じる責任があるということです。
福岡市の私立中学のバスケ部の暴行、いじめへの重大事態の認定に関して下記のケースで認定されたのではと考えます。
①いじめで児童等の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合
- 身体に重大な傷害を負ったケース
→顔に全治2週間の怪我 - 精神性の疾患を発症したケース
→校長から「精神的なダメージを受けている」
→不登校になっている
②いじめで児童等が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされた疑いがある場合
- 13日から学校を休んでいる。
重大事態は、疑いがある時点で認定されますので、今回の暴行事件については学校の迅速な対応だったのではないでしょうか。
福岡私立中学バスケ部の暴行事件は重大事態に認定「いじめ表記に呆れ」
福岡市の私立中学のバスケ部で起きた暴行事件について「重大事態」と認定されました。
学校は25日午前、いじめ対策委員会を開き、法が定める「重大事態」と認定し、県に報告する事を決めました。 25日中に全校生徒約80人に対していじめに関するアンケートやカウンセリングを実施するとしています。 一方、警察は生徒側から被害届を受理していて、傷害や逮捕・監禁の疑いも視野に捜査を進めています。
KBC
今回の事件はいじめではなく傷害という声も多く聞かれました。 「重大事態」と認定され、警察も生徒側からの被害届を受理しており、傷害や逮捕・捜査の疑いも視野に捜査を進めていることで、厳しい処分がなされる可能性もあるのではないでしょうか。
個人的な意見として、このような事件は社会的にも倫理的にも深刻な問題であり、公正な判断と適切な措置が求められると考えます。
14歳以上であれば「犯罪少年」となり刑事処分は認められる
14歳未満の少年については刑事責任を問わない(刑法41条)
中学2年生といえば、13歳と14歳が混ざった学年になります。年齢により処分が変わってきます。
刑法上の規定(41条)により、14歳未満の子どもは逮捕されません。
弁護士相談広場では、13歳の間での子供は逮捕はされませんが少年院装置も可能であることが記載されていました。
傷害事件を起こせば、補導や児童相談所の指導のもと、更生が必要になると判断されるケースもあります。また12歳以上であれば、少年院装置も可能になってきているため、14歳未満でも相手がひどい怪我を負っているケースなどでは注意が必要です。
弁護士相談広場
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